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THE MATRIX

Welcome to real world !

 

この世の現実は、コンピューターの支配する虚偽の横行する仮装世界だ。

しかして真実は、圧倒的な敵と戦わなければならないちっぽけで矮小でハングリーな空間での危険に満ち溢れた生存だ。

赤いピルで虚偽の現行世界、青いピルで真実の世界をの選択をモーフィアスのデカ顔のUPで迫られるこの映画は、ナカナカ"しかけ"が面白い。

 

機械への反乱をモチーフに掲げるのは、ターミネーターと同一の感もあるが、精神世界でありながら肉体的アクションが前面に押し出されるのが、不思議かつ痛快で鮮烈だ。ストップ&スローモーション・ライクな斬新映像は、この映画内においては、いまをもってしても新鮮に見える。

どこか無機質な画面もその効果に貢献している。

コンピューターの番人エージェント=スミスとの死闘は、今作まではまだしも現実的に感じられていた。

 

キャリー・アン・モス演じるスタイリッシュで鋭敏なトリニティーもまさにハマリ役で存在感抜群だが、個人的には、なんの脈略も無くモーフィアスが隣のビルまでひとっ飛びするバカバカしいナンセンスさ加減が大のお気に入りだった。支離滅裂が命といった感覚が実に小気味よい。

登場人物達のそれぞれの人間模様も一番冴えていたように思う。この作品がシリーズとして認知されたのもよく理解できる。

SONYのPLAY STATIONを介してMATRIXのDVDを支点として、DVDプレイヤーの普及がかなった経緯さえもわかるのだ。

 

救世主NEOとして死を賭して傷だらけで闘うのか? 只の一小市民のミスター・アンダーソンとして穏便にセーフティにひたすら生存することを望むのか? 

その選択は、極めて困難だ。

 

しかし、携帯電話ではなぜ転送できないんだ? いちいち公衆電話BOXや固定電話を探すのは難儀で理不尽じゃないか?

電話会社の策略と陰謀がそこには、存在するのであろうか? それこそが複雑怪奇なMATRIXの世界!?

 

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1999年度作品  ★★★★★ [最高は五つ]

監督 THE WACHOWSKI BROTHERS  配給 WANER BROS.PICTURES